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よしながふみ【フランス革命期、男娼館に売られた貴族の物語】BL 漫画 おすすめ

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お金を払う価値がある!秀作


ジェラールとジャック
著者:よしながふみ
無料立ち読みもあるよ

借金の形に男娼館に売られた誇り高き貴族の少年ジャック。「初めての客」となったのは銀髪隻眼の男・ジェラールだった。偶然、ジェラールの屋敷で働くことになったジャックは、自分の手で何かを為す喜びと様々な知識をジェラールから得て、強く美しく成長していく――。革命期の激動のフランスを舞台に展開される不朽のドラマティックロマン!

全二巻の内容の何と濃いこと。二巻をかけてじっくりと二人の恋が成熟していくさまを堪能できる。さながらワインを熟成させていくような壮大なストーリー。時代背景や貴族階級、愛憎が絡み合って、二巻で話がまとまっていることが奇跡のようです。

まだ少年だったジャックの成長と共に愛の形も様々に変わり、次から次へと色々な人間模様が組み合わさり、さすが巨匠よしながふみ先生、他では真似できない人生をも語るBL。読み終わった瞬間、溜息がこぼれます。

よしながふみ先生は他にもフランス革命期の別の作品もあります。こちらも絶品の名作。

 

男娼館で初めての客となったのがきっかけではあったけれど、二人の間には長いこと肉体関係も恋愛感情もなく、主人と下僕というよりは少しだけ家族に近いような関係が続いていた。

貴族でありながら男娼館に売られた理由が、母の浮気の結末の子供だったと知ったジャックが「私が不幸の元凶だ」と嘆くのを見て、ジェラールが強く…強く抱きしめて言い聞かせる。

 

行くな!どこにも行かせない!
俺が本当の父親より母親より
お前を愛してやる!

 

この時、ジェラールからするとまだ子を思うような愛だったのだと思うが、ジャックには恋が芽生えてしまう。

熱を測るために触れられたジェラールの指先に異常に反応してしまうし。

傍に寄られるだけで、火がついたように身体が火照ってしまう。

 

これは恋か?

 

たまたま初めての客だったから勘違いをしているだけだと、ジェラールはほんの少し身体は慰めてくれても相手にしてくれない。

ジェラールとジャック、大人と子供だった二人。

でも、ジャックが成長し、ひたむきに自分の人生を見つめて、ジェラールへの愛に気付き、戸惑い、追いかけて、躊躇して、でもやはり愛することをやめられないひた向きさに心打たれます。

そこにひたひたと忍び寄る、フランス革命の暗雲。

あぁ、よしながふみ先生の貴族の装いを描いたジャックのなんと美しいこと。

マイセン磁器でできた人形、まさにその通り。

再び何不自由のない貴族の生活を手に入れられるチャンスを自ら足蹴にしたジャック。

 

愛しているジェラール
それだけだ
お前からは何も要らない
お前にとっては
今まで通り私は
ただの召使だ

 

平民のジェラードに仕える貴族のジャック

この逆転劇がまた、たまらないっ!

奔放な昔の妻、その愛人、辛辣だけど料理上手なメイド、どの登場人物も生き生きと描かれており、二巻完結ですが五巻くらいの長編を読んだ気持ちになります。繰り返し読むたびに深い味わに酔いしれる、なかなか深みのある、このような作品には、めったに出会えない貴重な逸作。

ジェラールの重く食い込んだ足枷。

憎んで憎んで愛し囚われた元妻への呪縛が、ジャックの愛で解けて自由になったときの彼の眼差しの優しいことといったら……。

 

沢山の胸に響く台詞がちりばめられた作品です。

あるシーンでは胸に突き刺さるような衝撃がありました。

読んだ者の心に深い傷跡を残せる、さすが大御所作家様です、参りました。

貴族であるジャックがギロチン台へ引きずり出されることを恐れ、逃走した二人。

国境の手前で、顔に傷があるジェラールは自分は見つかって逃げ切れないと察知してここから先はひとりで行けとジャックに別れを切り出す。

追っ手が見える。

追っ手が近づく。

一人で行くのは嫌だと拒絶するジャック。

 

あぁ、神よお許しください。
この男と一緒に
死ぬことが
こんなにも幸福です…!

 

ケロは泣いたね。このジャックの台詞に墜ちたわ。

あぁ、神様
こんなにも幸福な読後感…二巻買って良かったです!

 

さぁ、腐女子の皆様、約20年前のBL漫画でございますが、決して後悔しませんことよ。

大御所、よしながふみ先生の世界観に浸れる幸福。

ためらうことなかれ、心地よい余韻に身を任せてください。

ジェラールとジャック 無料立ち読みもあるよ

 

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