山岸凉子 日出処の天子

日出処の天子(山岸涼子)を巡る旅

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日出処の天子の感想はこちら

日出処の天子★感想★語り継がれる傑作

時代を経ても輝きを失わない名作 遂にこの傑作を紹介する日が来ました。あまり深く考えず立ち上げた感想ブログでしたが、こちらの作品をいつか取り上げることが、潜在的な目標だった気が致します。 『日出処の天子 ...

そうだ、厩戸王子に会いに行こう!

山岸涼子の日出処の天子は何年経っても色褪せず、年を経て読めばなお昔と違う視点で再び感動する名作。
電子本の販売は作者のこだわりによるのか一切なし。ペーパーのみの販売です。
しかも、知らぬ間に''日出処の天子 古代飛鳥への旅"なんてもんが発売されているではないですか!

山岸凉子『日出処の天子』古代飛鳥への旅
(別冊太陽 太陽の地図帖)

アマゾンで取り寄せ、ワクワクしながら見ました。連載終了から何十年経っていることでしょう。でも、今になっても、ファンは永遠に厩戸王子に囚われたままなのです。
こちらの本には日出処の天子、執筆秘話などもてんこ盛り。
一番ドンと胸に響いたのは山岸先生のこの一言。

あの頃は
報われない愛を
描くことに
なんの罪の意識もありませんでした。


ケロは決心しました。
日出処の天子に視点を置いた、厩戸王子を巡る旅に出ようと。
かなり偏った視点の旅でございます。
でも、同じような旅に出たいと思うファンは沢山居るでしょう。今後の参考にして頂ければと思います。


 

♠ 四 天 王 寺 ♠
してんのうじ

物部守屋と蘇我馬子の合戦の折り、崇仏派の蘇我氏についた厩戸皇子は「勝利すれば、寺院を建てる」と四天王に誓願され、勝利の後その誓いを果すために、建立された。

南無
四天王
到来!

そうです。この時に祈願をかけた四天王がまつられているのですよ!四天王とは仏教を守護する四つの神。

実際に太子が創建に関わったと考えられるのは四天王寺と法隆寺のみで、その他は「太子ゆかりの寺」とするのが妥当とのこと。

日本最古の官寺、由緒正しき厩戸王子のお寺。もう行くっきゃない!
金堂に四天王寺のご本尊の救世観音菩薩と四天王が安置されています。


火事なんかもあって像自体は当時のものではないようだけど、でも、このお寺に込めた厩戸王子の想いを感じます。お寺の像なんてそんなに興味あるほうではなかったのですが、日出処の天子の場面を思い描きながら拝見すると、感慨深いものがあるのです。

さぁ、そして是非ともこの旅で集めたいのが、御朱印(ごしゅいん)ですね!

何だそれ?思う方もいるでしょう。お寺がそれぞれ独自なサインをしてくれるもので、料金は300円のところが多いです。御朱印帳(御朱印を書いてもらうための白紙のスタンプ帳のようなもの)をお持ちでない方はまずはそれをGETしないといけません。

御朱印帳はあらかじめ楽天やアマゾンで好きなものを買うか、寺の御朱印をもらえる場所でオリジナルなものを売っていたりします。一度買ったら継続して使うものなので調べて気に入ったものをGETしましょう(千円~二千円くらい)
四天王寺のは濃緑の無地一色に金色で四天王寺と刻印されているシンプルなものです。ちなみにケロのは京都の建仁寺のものです。♥︎可愛いでしょ♥︎ 緑のはカバーで白いほうが御朱印帳。四天王寺で書いていただける御朱印は全部で19種類もあります。いっぱいありすぎて訳わからないのですが。厩戸王子を追い求めてきたのですもの、お勧めはこちらです!

依頼する時はこの御朱印の写真を、スマホで提示するのがわかりやすいです。他にどんなのがあるのか気になる方は「四天王寺 御朱印」とかでネットを検索してみてください。御朱印は四天王寺の極楽門をくぐって左手にある納経所(のうけいしょ)で貰えます。

★四天王寺(大阪市天王寺区)へのアクセスなどはこちら


 

♣ 叡 福 寺 ♣
え い ふ く じ

推古三十年(622年)聖徳太子薨去後、前日に亡くなった妃の膳部大郎女、二ヵ月前に亡くなった母穴穂部間人皇后と共に埋葬され墓所(聖徳廟)を造営したといわれている。太子の没後、太子の墓を守り霊を鎮めるため聖武天皇の勅願により、神亀元年(724年)七堂伽藍が造営された。

一番辿り着くのに苦労しました。車で行かれる方は問題ないのでしょうが、土地勘がない中、電車とバスを乗り継いで行くのは方向音痴の私にはハードルが高かったです。これが厩戸王子をめぐる旅でなければ「パス。他のところに行こう」で終わっていたでしょう。次に行こうと思う方のために、ちょっと説明添えて起きますね。⇒詳しい行き方はこちら叡福寺への道のり

平日の午前中のせいかシンとしていました。バスを降りたら目の前に入り口があります。叡福寺(大阪府/太子町)です。

階段を上りそのまま真っ直ぐ前に進み、もうひとつ階段を登ります。

強面の素敵な像が厩戸王子を守って下さっています。さあ、見えてきました。漫画と同じですね。うっそうとした小山の下にあの建物が。

ずっしりとした品格があります。ここまで来た甲斐があったと感無量。そしてこの場所にまつわる不思議な言い伝えが存在しました。

太子廟の七不思議

1.樹木が生い茂った御廟内には、松や笹が生えない。
2.鳥が巣を造らない。
3.大雨が降っても御廟の土が崩れない。
4.御廟を取り巻く結界石は何度数えても数が合わない。
5.メノウ石に太子の御記文が彫られたものが、太子の予言どおりに死後430年後の天喜2年(1054年)に発見された。
6.御廟も西にあるクスノキは、母后を葬送したときに、太子自らがかついだ棺の轅(ながえ)を挿したものが芽をふき茂った。
7.寛平6年(894年)、法隆寺の康仁大徳が御廟内を拝見した時、太子の着衣は朽ちていたがその遺骸は生きているように温かくやわらかだった

厩戸王子にふさわしいミステリーですね。じっくり堪能ください。

そして、お守りを売っているところで御朱印も頂けますよ。しかも御朱印帳がそそられますね。これ以外にも何色かあるようです。ピンク可愛い~

御朱印も何種類かありますが、私はこちらをいただきました。聖徳廟(しょうとくびょう)のものを下さいと言ってお願いしたら、若いお坊様がじっくり時間をかけて書いてくださいました。ありがたや。


 

◆ 法 隆 寺 ◆
ほうりゅうじ

松の翠の美しい矢田丘陵を背に、大和平野を広々と見渡す斑鳩の里に聖徳太子が斑鳩宮を造営されたのは推古天皇9年(601)。ほどなく太子は、ここに亡き父用明天皇のため寺の造立を発願され、推古15年(607)ごろに完成したのが法隆寺です。

皆さん、落ち着いて聞いてください。法隆寺の拝観料は一般大人一名1500円でございます。1500円!!しかぁ~し、日出処の天子ファンとしては見所満載でございまして、ケロはゆうに二時間、雨の中見て回りました。修学旅行生が「ふうん」と、興味なさげに通り過ぎる場所でも、釘付けになってしまう事が沢山あります!ではケロなりのお勧めポイントをご紹介しましょう。

 

金 堂

法隆寺金堂 (593〜709)
法隆寺の本尊を安置する殿堂。聖徳太子のために造られた法隆寺金堂釈迦三尊像(飛鳥時代)、像に向かって右側には太子の父である用明天皇のために造られた金銅薬師如来座像(飛鳥時代)、左側には母である穴穂部間人皇后のために造られた金銅阿弥陀如来座像(鎌倉時代)、それを守護するように樟で造られたわが国最古の四天王像(白鳳時代)が、後世の威嚇的な四天王像とは異なった物静かな様子で見守ってくださっています。ほか木造吉祥天立像・毘沙門天立像(平安時代)が配置されている。天井には、天人や鳳凰が舞う、三つの華麗な天蓋がつりさげられ、周囲の壁面には、世界的に有名な壁画(昭和24年焼損、現在は再現壁画がはめ込まれている)が描かれている。

つまり、この金堂には聖徳太子の釈迦三尊像が真ん中で左右に父と母の像に囲まれているのです。えぇ、この三像が並ぶさまに立ち尽くし、20分はこみ上げる想いと共に拝見してしまいました。

同じ宮で家族と共に暮らしながらいつも孤独だった王子。その王子がこの金堂で両親の像をそっと左右に抱きながら静かに時を過ごしているのが感慨深かったのです。

父の用明天皇/薬師如来座像

母の穴穂部間人媛/阿弥陀三尊像

さあ、厩戸王子の像、国宝の釈迦三尊像ですが、作者をご存知でしょうか。そうです!
トリです。あのトリが厩戸王子の釈迦三尊像を作るのです。感無量ですね(涙)

聖徳太子/国宝の釈迦三尊像
作者は鞍作 止利(くらつくり の とり)


斑鳩宮のムードメーカー、トリ!立派になってっ。厩戸王子もさぞご満足でしょう。こんな物語の色々な場面を脳裏に浮かべながら金堂にたたずんでいると、時間の流れが止まったようでいつまでも見ていたい不思議な気持ちに駆られました。

 

馬 屋

大宝蔵院の入口と書かれた看板の左隣に馬屋があります。馬屋には「聖徳太子黒駒調子丸」あり、こっ、こんな所に!調子麻呂( 調子丸)がおるではないかっ。え?実在の人物だったの?王子お気に入りと名高い黒駒という名の馬を連れているよ。

ちょっ、調子麻呂の顔‥あらぁ、ふっくらほっぺ、優しい眼差し‥可愛い♥︎♥︎

斑鳩から飛鳥まで、王子が通勤した道は太子道と言われています。片道約20キロ。王子と黒駒と調子麻呂と‥1400年前に想いを馳せて太子道を探索するのも楽しそう。

太子道を歩いてみたいという方は、こちらの「歩く・なら」に詳しいルートあります。途中、王子が腰掛けた石とかもあるので、楽しんで探索してください。

 

 

 

夢 殿

斑鳩宮は現在の法隆寺の東院(夢殿があるところ)あたりにありました。

厩戸王子と刀自古郎女の子、山背…いや、「日出処の天子」では毛人と刀自古郎女、同母兄妹の不義の子として描かれる山背ですが、厩戸王子の長子であるということもあり、厩戸王子没後は斑鳩宮で暮らしていました。

「日出処の天子」では度々王子が見る子供がたくさん死んでいる悪夢ですが、作品内では詳細は描かれていません。

史実としては643年、蘇我入鹿の奇襲を受け山背を含み厩戸王子の子は全て斑鳩宮で自害して果てます。反撃すれば味方は沢山いるから蘇我入鹿など討ち取れると、山背に進言する人もいたそうですが、それでは大きな戦争になり民が苦しむと山背は答え、上宮王家全員自害という道を選んだそうです。

山背、人間出来過ぎですね。

作中にも入鹿が山背の事を理想主義者と毒づくシーンがあるので、その後の悲劇に紐付かせる意図かもしれませんね。

続編の「馬屋古王女」では山背と入鹿はそれなりに交流のある雰囲気でしたが、その後の年月が二人の関係を変えてしまったのですね。濃い血で結ばれた絆があったはずなのに。厩戸王子の悪夢はその時の惨状を垣間見ているのです。

王子もこう言ってますね
「わたしの子は皆その生を全うしない。そういう運命なのだ」

その時に斑鳩宮も全て焼き払われます。現在の夢殿は738年に再建されたものなので実際には厩戸王子が過ごしたあの八角堂とは違いますが、斑鳩宮跡地に夢殿がある、実際に拝見すると感無量です。そして、雨乞いの名場面を噛み締めましょう。 

夢殿ミステリー

夢殿には明治時代まで法隆寺の僧侶すら目にしたことのない秘仏、木造観音菩薩立像がありました。封印をとけば聖徳太子の怒りで地震が起き法隆寺が倒壊すると言われていたそうです。秘仏には457メートルの麻布が巻かれていたそうで、聖徳太子等身大の像と伝えられています。夢殿に相応しいお話ですね。

ちなみに御朱印は聖霊院というところでいただけます。法隆寺のお守りもここでGETしました。さすが法隆寺の御朱印、達筆を通り越し魔除けのお札のような雰囲気を醸し出しております。


 

◆ 中 宮 寺 ◆
ちゅうぐうじ

中宮寺は聖徳太子の御母穴穂部間人皇后の御願によって、太子の宮居斑鳩宮を中央にして、西の法隆寺と対照的な位置に創建された寺。創建の飛鳥時代このかた千三百年の長きに亘り、尼寺の法燈を続けておるのは日本広しと言えども実に中宮寺だけ。

法隆寺の夢殿の出口を出て真っ直ぐ20歩くらい歩いて、右に曲がると中宮寺の入り口があります。拝観料600円だけど法隆寺経由で来た人は100円引きになります。

水辺に浮かぶ優雅なお堂は周囲に草花を抱き、尼寺にふさわしく女性的な優しさがあります。

 

飛鳥時代の作で国宝、菩薩半跏像は飛鳥彫刻の最高傑作とされており、アルカイックスマイル(無表情にも拘らず口元に笑みをたたえたような表情)の典型として高く評価されています。エジプトのスフィンクス,レオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザと並び世界の3大微笑像と呼ばれています。

なんとなく、お顔が穴穂部間人皇后に似ているような気がしますね。良妻賢母のタイプでありながら、厩戸王子だけは愛せなかった人。

あなたがもっと…もっと王子を愛してくれたなら、今の王子はああはなりはしなかった!(毛人視点)

御朱印は入り口、拝観料支払い時に申し出ると、御朱印帳を預けて、帰る時に渡してもらえました。


 

★調子丸(調子麻呂)古墳★

え?古墳って天皇の墓のことじゃないの?

調子丸(麻呂)古墳!!!

時代的に不一致ではないかと指摘もあるようですが、そんなことどうでもいいんですよ。わざわざ調子麻呂の名がついて語り継がれているということに意味があるわけです。

場所なんですが、土砂降りの中探しました。中宮寺を出てふらふらと。スマホの地図のアプリで目安はつくのです。ただ、アレだなと見定めてから近づくのがどこから入って行ったらいいやらが大変でした。

 

この地図の位置から見たらこんな感じで見えてきました。もっと近づきたい!

上の写真左下のところから畦道を通って傍まで近づけます。

調子麻呂の古墳…立派になって(涙)
このこんもりした小山が調子丸(麻呂)古墳です


★あとがき★

いかがでしたでしょうか。以上がケロお勧めの日出処の天子を巡るスポットです。

本当は斑鳩ではレンタル自転車を借りてもっと他も行く予定でしたが雨に降られたりもあり、サイクリングは諦め時間も切り上げたのですが、それでもとても満足しました。

いつか皆様が同じように日出処の天子を巡る旅に出られるときに少しでも参考になれば幸いです、


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